高齢者とのふれあいで気をつけるべきこと

一人暮らしをしている高齢者の孤独死が社会問題となっています。子どもと同居しながら生活することを選択せずに、一人暮らしを貫く高齢者にはどのような心理が隠されているのでしょうか。まず挙げられるは、自分が弱っていく姿を子どもたちに見られたくない、という心理です。このような気持ちがある高齢者は、死ぬ直前まで子どもたちに元気な姿を見せることで自身の尊厳を保とうとする傾向があります。

また日常生活が不自由になっていく自分の様子をできるだけ見せなくすることで、子どもたちに与えるショックを軽減したいという心理もあるのでしょう。つまり一人暮らしの高齢者が子どもたちとのふれあいを拒むのは、相手を困らせようとして意固地になっているのでなく、単に自分の信念を貫いているだけのケースが多いのです。

そんな信念を貫こうとしているときに、高齢者は子どもから面倒を見てもらいながら生活するのが普通だよ、などと言われるとますますふれあいを拒むことにもなり兼ねません。一人暮らしの高齢者に対して不安を感じる場面が多くなったら、一般論を持ち出して子どもとの同居を打診するのではなく、まずは高齢者の信念を尊重してあげることが重要になります。ふれあいとは、必ずしも生活のサポートだけを指しているわけではないのです。何から何まで世話をするのではなく、高齢者の心理を読み取り、その人にとっての楽な生き方をできるだけ維持させようとすることが適切なふれあい方だといえます。